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クルマから流れるFMで、今日の札幌は青空だと告げていた。
全道的にも晴れが多いと言う。
今日の苫小牧は曇り。
ボクは、JR札幌駅の上空は青空が拡がっていると話す楽しげな女性の声がイヤになり、FMを切った。
どうせ、コッチは曇りだよっ・・・・・・、と心の中で悪態をついた。
雲一つ無い快晴より、曇り空の方が釣れるんだ、自分にそう言い聞かせながら、ボクはクルマを走らせた。
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目的の橋付近の駐車スペースにクルマを停め、ボクはウエイダーを身に着けた。
ロッド(竿)とルアーをセットし、久し振りのヤマメ釣りに心躍った。
川岸にとりつくと、森は新緑に溢れていた。
この川が山を育て、緑を豊かにし、魚を棲まわせているんだろうな、ボクは川を見てそう思った。
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川の上流から下流へと進み、ボクはヤマメを追った。
シュッと音を立て、キャスティングする。
この音が心地良い。
スピナー(ルアー)がどんな風に川の中で動くのか、その動きを目で追いながら、ラインを巻いていく。
ロッドに当たりが伝わる。
川面から覗く魚体。
胸が躍る。
最初に釣れたのは、ちびサイズのイワナ。
写真を撮った後、リリースする。
今日の狙いはヤマメ。
イワナなどに用は無い。
イワナが釣りたかったら、もっと上流へ行けば、良サイズのイワナが狙える。
出て来い、ヤマメ。
ボクは、はやる気持ちを押さえながら、再びスピナーを振った。
何回目かのキャストで、ようやくその姿を見せた。
いつ見てもキレイな魚体。
パーマーク(斑点模様)を見ていると、ウットリとしてくる。
釣れたヤマメを見て、僕は歓喜した。
手ごろサイズのヤマメをしっかりとキープし、次のヒットを目指して、ボクはロッドを宙に振った・・・・・。
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去年と同じ川でヤマメが釣れたことに感謝した後、ボクはロッドを納めた。
釣れたヤマメ、7匹。
フックから外れて釣り損なったヤマメ、2~3匹。
スピナーに追って来るも釣れなかった魚影、2~3匹。
そこそこサイズのヤマメ3匹を持ち帰り、塩焼きにして夕飯の食卓を飾った。
久し振りのヤマメ釣り、釣れた時の喜びは一塩。
今シーズン、良いヤマメにどれだけ出会えるか大いに楽しみだ。