あとはそこから登るだけ。
登るって言うよりも歩きの方が多い感じの山かも・・・・・。
風不死岳ってクマの巣なんでしょ、危なくないの?
これは、しばしば耳にする意見の一つ。
風不死岳がクマの巣なんじゃない。
森自体がクマの巣なんだ。
ボクは、こう答えるようにしている。
風不死岳はクマの巣だから危険で、クマの噂を聞かない山は安全か。
そんなことは無い。
クマは森に棲んでいる。
風不死岳はクマの巣だと言う意見は、あくまでも人間の立場からの意見。
クマは森に棲んでいる。
クマは森を育てる。
森はクマを育てる。
森は人間を育てたかもしれないが、人間は森を破壊した。
こうやってボクが登山道を歩いている事自体、実は森を破壊している事になるのだろう。
森にとって一番危険なのは、実は人間なのかもしれない。
そんな事を考えている内に、結構な距離を歩いたらしい。
後ろを振り向くと、お隣さんの樽前山が見えた。
鎖場を過ぎ・・・・・・・。
偽ピークを過ぎても・・・・・・・。
まだ頂上には着かない・・・・・(笑)。
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偽ピーク。
頂上だと思っても、そこはホントのピークじゃない・・・・・
ヤな言葉だよね、偽ピークだなんて。
ボクにとって、一番ヤなのは偽ピークではなく、笹原だった。
笹って、あんま好きじゃない・・・・・。
雪にもめげない逞しさを誇るんだけど、雪山を登ってると特に、この笹ってヤツに足場をとられたりして、あんまり好きじゃない。
笹よ、お前なんか嫌いだよ、と笹に向かってバカヤロー宣告をし、笹原を抜けると頂上は間近だ。
樽前山の7合目ヒュッテから歩き始めて2時間15分ほどで風不死岳のピークに到着。
う~ん、モヤってる・・・・・。
霞んでいる・・・・・・・・・・・
霞んでなかったら、天気が良かったら、支笏湖を見下ろす事が出来て、最高の眺望を手に入れることが出来るのに・・・・・・・。
う~~~ん、残念だな・・・・・・・・
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頂上には先客が3名居た。
ボクが頂上に着いて数分で男女のペアが去り、そこにはボクと1人のおじさんが残された。
おじさんと暫らく山の話をした。
ボクは冬はスノーシューで低山を中心に登っている事。
おじさんは山スキーで冬山を楽しんでいる事。
ボクは、出来れば週一で登山をしたい事。
色んな事を話した。
おじさんは、先の二人組みは苫小牧山岳会のメンバーなんだよ、そこに入ったら良いよ、色々と教え貰えるし、冬も遊べるよ、と言っていた。
山岳会・・・・・。
ボクがまだ未熟だった2~3年前。
ちょっと本気で入会しようかなと思った時期があった。
でも。
ボクは入会しなかった。
会に入らなくても遊べるし、技術的な事を本格的に修得したいと思った時に、入会すれば良いかなと今でも思っている。
おじさんは、色んな事を話してくれた。
羊蹄山(ようていざん)のスキー行。
毎年恒例の
トムラウシ山スキー登山。
ボクはおじさんの話を熱心に聞いていた。
こう言う話しを聞いてると、山岳会の門を叩きたくなってきた(笑)。
やがておじさんも去り、そこにはボク独りだけになった。
昼食を終え、休憩も済み、ボクもそこを去った。
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下山時は樽前山を経由しないで下りる事にした。
途中、小雨ってきてヤだなと思ったけど、小雨のままの状態をキープしていたので、ボクはホッとした。
ボクはピークから1時間45分ほどで下り終えた。
タ~~~~~ッと登って、タ~~~~~~~ッと下る、冒頭で述べた通りの今日の登山。
久し振りに駆け足気味の登山(笑)。
ボクは、ちょっと物足りなさを感じながらクルマに乗り込んだ。
北海道内、明日から本格的に雪が降るらしい。
これから山の積雪が締まって安定する間、登る山を選ばないといけなくなるなぁ~、ボクはハンドルを握りながらそんな事を考えていた。