8月27日(月) 島内一周終了(続き)

火の玉レッド

2007年11月11日 23:49

8月22日に島根県の隠岐へ行くためにボクは北海道を出発した。
隠岐の島後(どうご)と言う島に着いてからボクは5日目の朝を迎えていた。




昨夜泊まったキャンプ場を後にしたボクは、荷物を積んだMTBで再び島内を移動した。

南へと下る為に・・・・・・・。


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島の南北に走る国道485号線を走り、ボクは南へと移動していた。

道は下り坂で、途中また上り坂に変わったりもしたけれど、その登りもやがては下りへと変わり、ペダリングは概ね順調だった。

昨日の泣きのヒルクライムの連続に比べれば、今日のは快適♪快適♪

国道を走っていると、今までのツーリングで経験した様々な事柄や、今回の旅行の出来事なんかを考え、しばらく旅を続ける生活もいいかも知れない、そう思った。
でも。
それは現実的ではなく、ボクは定職に就いている訳で。
ある程度の不自由さの中で生活した日々を送っており。
森や海の近くでのキャンプ生活を永くは続けてられない訳で。
いずれ不自由さの中に身を落とさざるを得ないし、それは人間として当たり前の事なんだよな、でも思いっきり放浪してみたいじゃないか、こんチクショウ・・・・・・。
と、誰に向けた訳でも無い感情をペダルを踏む足に向けていた。

やり場の無い思いをペダルに向け走り続けていると、やがてある神社を案内する看板を目にし、目的地の一つでもあるその神社に寄る事にした。

その神社は、水若酢神社(みずわかすじんじゃ)と言った。


この神社。
建立は、西暦二世紀とか三世紀とかで恐ろしく古い時代のものだ。

本殿は、寛政7年(1795年)の竣工らしく、隠岐造りと言う手法で造られており、国の重要文化財にも指定されている。




22日に行った「玉若酢命(たまわかすみこと)神社」に比べると、巨杉も無くどことなく地味な印象は否めないが、歴史と風格のあるその佇まいは威厳が感じられ、ボクの心を落ち着かせた。

暫らく休憩居た後、記念におみくじを引いた。
(その時のおみくじは、だるまおみくじ。トップ画像の自転車のサドル先端に乗っかったミニだるまがそれ♪)

「大吉」

旅行:吉日をえらべ
恋愛:将来幸福になる(不幸になっては困るけどね、神さん)

大吉を当て、晴れやかな気持ちと共に、ボクは出発した(笑)♪

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神社を後にしても、道はずっと下りで快適そのものと言った感じだった。

続いてボクは、隠岐国分寺へ行ってみようと思った。

8世紀に建てられたお寺で、元弘の乱で島流しになった後醍醐天皇が滞在していたとも言われている。



お寺に着き、早速境内にお邪魔すると、本堂は2月25日の火事で焼失されてしまっており、観る者の心を痛ませる雰囲気がそこにはあった。

取り立てて見る物も無く、ボクはそこを後にした。



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隠岐国分寺を過ぎると、今日のゴール地である西郷はもうすぐそこで、ボクは急ぐでもなく、一漕ぎひとこぎをしっかりと正確にペダルを回し、何かを噛み締めるように前へと進んだ。

西郷に着くと、それは同時に、この島巡りの旅の終わりを意味するのだから・・・・。

ボクにはある考えがあった。

それは、民宿に泊まる事。
島旅の最後位はテントに泊まらず、人間らしい生活をと思い・・・・。
まぁ~、それもあるが、港から近くのキャンプ場がどうやら閉鎖されている可能性があり、オープンしていたとしても翌日のフェリー出港時間を考え、キャンプ地から港までの移動時間等を考慮すると、港付近の民宿に泊まった方が翌日の行動もスムーズに行くと考え、ボクは民宿を探す事にした。

西郷港に着くと、手頃な民宿に泊まるべくあちこちをMTBで走って回った。

そんな折。
ある民宿の前を通った時に、そこの従業員であろう方がボクに声を掛けてくれた。
「この暑いのに自転車で大変だね、あちこちで見かけましたよ!」だって!!

ツーリング道具を載せたMTBで、島を一周したんだものな~。
主要道路も通ったし、林道も走ったし、何台ものクルマとすれ違ったものな~~。

もろツーリング仕様だしね、どうしても人目に付いちゃうだろうな(笑)。

ひょっとして、チョッとした有名人だったりして・・・・・。

思い掛けない島民とのやり取りも楽しかったけれど、やみくもに民宿を探し回っても優柔不断な性格のボクには決められず、困ったボクは取り敢えず黒曜石を買いに行こうと思い、目的そのものを変更した。

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ガイドブックに載っていた八幡黒耀石店へボクは行った。

正直。
黒曜石にそんなに興味は無いけれど(笑)、旅の思い出にその土地の特産品を身に付ける、そう言うのも良いかも知れない、ボクはそう思い装飾品を売る店内へと足を踏み入れた。

店主の八幡さんは、店内を見回すボクに向かって、太古の日本人が狩り等で黒曜石を用いたんだと説明してくれて、鋭利に加工した石をボクに手渡し、ボクに紙を切るよう促た。
ボクはその切れ味にビックリした。

黒曜石のストラップを買った後、ボクは事情を説明し、八幡さんにお勧めの民宿を訊ねた。

八幡さんは、電話でやり取りをし、空室を確認した後、ボクに宿を案内してくれた。

ボクはお礼をして、予約してくれた宿を目指した。

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民宿 石塚

それが八幡さんが予約してくれた宿名だった。

中に入ると、久し振りに見る人間的な生活スタイルにボクの心は和らいだ。
畳。
テレビ。
クーラー。

ボクはキャンプ道具を整理しながら、今までの経緯を整理しようと考えたが、止めた。
それは、旅行が終わってからゆっくりとやればいい事だ。

今は。
疲れを癒す事が先決だ。

テレビの電源を入れる。
そうか、世界陸上が開催されているのか、ボクはそう思った。
他にも色んな情報が好むと好まざるに関わらず画面に映し出されるが、ボクの興味を引くものは無かった。

食事の時間が近付いてきたので、ボクは階下に下り、席に着いた。

運ばれてきた料理は、いずれも美味しく、ボクのお腹を十分に満たした。


中でも最高に美味かったのは、料理ではないけれど、生ビールが最高に美味かった(笑)♪
決して大袈裟ではなく、細胞の一つひとつにアルコールが浸透するのが分かる位の極上の味だった。





勿論、料理の一品一品が美味かったのは言うまでも無い!
地物の魚介類を中心とした和食は、ホント美味かった!

この宿を紹介してくれた八幡さんに感謝し、美味しい料理を作ってくれた宿の人にも感謝をし、ボクは今日記を書いている。

明日で、島後も最後!
いよいよ最終日だ!
朝一のフェリーに乗って島を出ないといけない。

島後。
端的に言って、MTBで来るにはあまりにもキツ過ぎる・・・・・
色々な思い出をありがとう!!

また来れたら来よう、もう一度・・・・。

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走行時間・・・・2:52’36
走行距離・・・・36.39km
平均速度・・・・12.6km/h
最高速度・・・・49.4km/h
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(8月28日へ・・・・)


※ 本文は、旅行中に記載した日記に加筆修正した文章を載せています。
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