8月29日(水)・島を出て・・・・。

火の玉レッド

2007年11月22日 22:51

8月22日に島根県の隠岐へ行くためにボクは北海道を出発した。
28日の朝、旅の目的地である島後(どうご)と言う島を離れ、ボクは今、本州の鳥取県米子市に居る。




(海を眺めながらコーヒーを飲む、何気ない朝の一時。)
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夜中から降り続いた雨は、朝方には止んでいた。
テントが濡れている。
濡れたままの状態でテントを収納するのは、ヤだけど仕方が無い。
ボクは海岸の砂を払い落としながら、テントを片付け始めた。

昨夜、泊まった弓ヶ浜海水浴場。

ボクは、海岸を少し散策してみた。



大山(だいせん)が見える。
頂上部は雲に隠れて見えないけれど。

標高は1729m。
中国地方最高峰。

こんな近くまで来たんだから、大山登山をプランに組みこんどきゃ良かったかなと思ってしまった。

海岸線上の山を見つめ、登った事の無い山に思いを馳せながら、ボクは淹れ立てのコーヒー飲んだ。

色んな事が頭を駆け巡った。

あれこれと感傷に浸るのはまだ早い。
家に帰ってからでも旅の思い出は消化できる。
今は、まだ旅の途中。

無事に家に帰る、その作業がまだ待っている。

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海水浴場からMTBに乗って数分。
そこに米子空港はある。

ボクはMTBを輪行するべくタイヤを外し、その作業に取り掛かった。
タイヤを外したりしていると、ようやくボクはこれから北海道に帰るんだと言う実感が湧いてきた。
旅が終わるんだと言う思いも同時に湧き上がってきた。



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ボクは全ての手続きを終え、飛行機に乗り込んだ。




飛行機の中から飛行機雲を見上げる、そんな単純な事が可笑しくて思わず写真に撮った。



空は晴れていた。

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羽田空港で飛行機の乗り換え。


青い空。


今、ボクは飛行機の中に居る。
機内でコレを書いている。

旅と言う行為が非日常的行為だとすれば、非日常から日常へ戻ってきた気がする。
ボクは非日常を求めて来たんだ。
非日常を味わう7日間。
それが終わった。

その行為がどれほどの意味をなすのか、意味があるのか、ボクには分からない。

これから、またいつもの生活が待っている。
いつもの日常に戻っていく。

飛行機は北海道の上空を飛んでいた。


明日からは、いつものように仕事が待っている。

ボクの旅が終わるんだ。
ボクの旅が・・・・・・。



飛行機は直、着陸態勢に入る。
タイヤを出して滑走路に着陸し、スピードを落とす。

ボクの心はキチンと地に着いているだろうか?
ボクは考える。
旅先で、どこかにボクの心を置いてきてはいないか?
ボクは考える。

何かを失ってはいないようだ。
何を得たのか、それはボクにはまだ分からない。

ボクはペンを休め、北海道の上空を見つめる。
夏の終わりの空。
どこまでも続く青い空。

ボクは北海道が好きだ。
飛行機から北海道を見る度に、そんな事を思う。

もうすぐ飛行機は着陸する。

ボクの旅も終わる。
旅人としてのボクも今日で終わり。
明日からはいつものボクだ。

ボクは青空を見つめながらノートを閉じた。

(終わり・・・・・・)


※ 本文は、旅行中に記載した日記に加筆修正した文章を載せています。
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